10月14日~17日フランスのパリで開催されたICRERA 2018(7th IEEE International Conference on Renewable Energy Research and Applications)において電気工学専攻2年田島研究室の江口卓弥さんがBest Poster Awardを受賞しました。
この国際会議は、再生可能エネルギーに関する研究及び応用の進展及び発展について世界中の研究者やエンジニアを集め話し合うもので、地球温暖化防止や持続可能な社会のために、再生可能エネルギーシステムやエネルギー源に関するいくつかの重要なトッピックに焦点を当てています。
受賞の研究内容は「焼酎粕由来活性炭を用いたフレキシブルスーパーキャパシタの電極厚みの最適化」です。
「焼酎粕由来活性炭を用いたフレキシブルスーパーキャパシタの電極厚みの最適化」
近年、持続可能な社会への関心の高まりに伴い、省エネルギーや再生可能エネルギーが注目を集めている。これらのエネルギーのシステムにおいて蓄電デバイスは重要な役割を担っている。その蓄電デバイスとして、スーパーキャパシタは長寿命やメンテナンスフリーなどの点で有効に活用が可能であると考えられている。研究では、産業廃棄物である焼酎粕から活性炭を作製し、スーパーキャパシタの電極材料に応用している(図1)。
また、図1に示す様に焼酎粕活性炭を用いた柔軟性のあるスーパーキャパシタ用のフレキシブル電極を開発した。そして、本研究では開発したフレキシブルスーパーキャパシタの電極厚みの最適化の検討を行った。異なる厚みの電極を作製し、キャパシタ特性との関係を調査した。キャパシタ特性は定電流充放電試験により測定を行った。定電流充放電試験より、セルの内部抵抗、充電エネルギー、放電エネルギーを算出した。得られた充電エネルギーと放電エネルギーから充放電効率を算出し、最適な電極の厚みの検討を行った。更に、内部抵抗による損失エネルギーと理想分極特性と実測の放電曲線の差より得られる物質の移動によって発生するワールブルグ・インピーダンスによる損失エネルギーを算出し、充放電効率との関係について検討を行った。
実験結果より、電極厚みが増すにともないエネルギーの損失が大きくなり、充放電効率が低下することが明らかになった。また、過度に薄い電極では、電圧降下が大きくなることが分かった。電極の厚みと充放電効率と電圧降下を考慮すると最適な電極の厚みは57~120 µm の間であることが明らかになった。
「Best Poster Award」の受賞は日頃の研究取り組み姿勢の表れだと思います。博士課程へ進学する予定ですが、次の目標に向かって、さらに上を目指して進んで下さい。
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