・特許番号:第6195242号 ・登録日:平成29年8月25日 ・発明の名称:特性評価試験装置
工学部知能機械工学科 加藤友規准教授と東京瓦斯(株)大和久 崇氏/佐久間 博久氏、鹿児島大学工学部 中尾 光博准教授と共同で発明し、出願した「気体の流量を計測する流量器(ガスメータ)の圧力脈動の特性を評価する試験装置」に関する技術発明が、特許権を取得しました。
本特許発明は、図に示すように、流量器(ガスメータ)の圧力脈動の特性を評価する試験装置が
①ガスメータに一端が接続され、他端が開放または閉塞された管路
②ガスメータを介して管路に接続され、印加電圧に応じて気体供給源から管路に流入される気体の流入流量を規制するサーボ弁
③サーボ弁の印加電圧に対するサーボ弁から管路へ流入する気体流量の関数モデルの逆関数で表される逆関数モデルに基づいて、管路で模擬したい任意の目標圧力脈動に対応するサーボ弁から管路へ流入する気体の脈動流量に対応する試験信号を、印加電圧に変換することでサーボ弁に印加する制御部
から構成されており、管路で計測される圧力の計測結果を参照することなく、管路で発生される圧力脈動をオープンループ制御するというものです。
ガス管内を流れるガスの流量は、ガスメータで計測されています。現在、定常流におけるガスメータの特性は十分に評価されており、国際規格やJIS規格が存在します。しかし、管路を流れるガスは必ずしも定常流とは限らず、圧力脈動によって非定常な流れが生じることもあります。このような非定常なガスの流れにおけるガスメータの特性は、定常流における特性とは異なる可能性があるため、非定常な流れにおけるガスメータの特性を評価する必要があります。
従来、非定常な流れにおけるガスメータの特性を評価する試験装置としては、ガスメータと管路との間に圧力センサーを設け、圧力センサーで計測される圧力をフィードバックして生成した制御信号をサーボ弁に印加して、管路に圧力脈動を発生させて評価する装置があります。この試験装置では、フィードバックによる制御遅れが大きく、高周波数の圧力脈動を再現できないという課題がありました。
これに対して、本特許発明の試験装置では、圧力センサーで計測される圧力をフィードバックすることなく、オープンループにより圧力脈動を制御するので、フィードバックによる制御遅れもなく、より高周波の圧力脈動を精度よく再現することができます。さらに、複数の周波数成分の圧力脈動が重ね合わされた圧力脈動をも精度よく再現することが可能になります。
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