知能機械工学専攻 修士課程1年の4名が、公益財団法人三井金型振興財団と公益財団法人と原田記念財団の奨学金助成に採用されました。それぞれ将来の技術者として指導的役割を担おうとする有望な人材を育成することを目的として助成されるもので狭き門となっています。
三井金型振興財団 奨学金 採用
修士課程知能機械工専攻1年廣田研 小川昂さん(長崎東高出身) | 学会名:第69回塑性加工連合講演会 学会発表テーマ:「多軸揺動加圧によるすえ込み加工(第一報二軸駆動による加工特性)」 概要:近年、自動車部品では燃費改善の観点から部分的に厚さを変化させる厚板部品の需要が増加しており冷間鍛造では加工終期の荷重増加が顕著となる。この問題に対して、二機の直動アクチュエータを用い、僅かに揺動させながら円柱試片のすえ込み加工を行い、荷重及び加工後の試片形状について通常の加圧との比較を行う。 |
修士課程知能機械工専攻1年加藤・木野研 島崎晧平さん(甲南高出身) | 研究テーマ:「エアタービンスピンドルの回転数制御による切削加工への影響」 内容:静圧軸受式エアタービンスピンドルは高速回転、高精度、低摩擦、低振動などの特性の反面、切削抵抗によって回転数が変動する問題がある。過去の研究では回転計内臓スピンドルと高速かつ精確に圧力制御可能な超精密高速応答圧力レギュレータで構成した装置に回転数フィードバックとスピンドルへの負荷を補償する外乱オブザーバを適用し、高速かつ安定的な回転数制御が実現された。更に、この機構の評価試験の中でタービンへの供給圧力と工具の摩耗に相関が見られた。 相関から摩耗の推定が出来れば加工効率の向上などが見込めるため、昨年度は小径ボールエンドミルを用いた表面切削での相関を調査し、その結果から工具摩耗推定の可能性を示した。しかし、他の加工法でも推定が可能か検証する必要がある。 そこで本年度は小径ドリルを用いた穴あけ加工実験を実施し、穴あけ加工においても摩耗の推定が可能か検証している。 |
修士課程知能機械工専攻1年仙波研 時枝大輔さん(小倉西高出身) | 研究テーマ:「無酸素銅に対する超精密切削」 内容:1990年代の初めに超精密切削という加工概念が提案されて以来、同概念を具現化できる工作機械や工具の開発が行われてきた。その結果、工作機械の制御分解能は1nmに達している。一方、単結晶ダイヤモンド製の切削工具の刃先の丸み半径は1nmに達していないように思われる。また、幾何計算で求められる切削加工面の理論粗さRyはf2/8Rで算出できるが、実際の切削加工面の表面粗さRyは加工面に生じる側方バリの影響で理論粗さよりも大きくなってしまう。もし、切削工具の刃先の丸み半径を銅やアルミの原子半径程度まで鋭利化することができれば、理論粗さ通りの表面粗さを得ると考え、昨年度まで本研究室では、レーザ加工と熱化学反応を利用した乾式ラッピングを行い予備成形したナノ多結晶ダイヤモンド(NPD)製のノーズRバイトに対し、酸素プラズマを用いたドライエッチングを行い、ドライエッチングの時間を変え、成形し得る刃先の丸み半径を明らかにするための研究を行ってきた。本年度はその実証実験として無酸素銅に対する超精密切削を行っている。 |
原田記念財団 奨学金 採用
修士課程知能機械工専攻1年江頭研 田中雅人さん(香椎高出身) | 研究テーマ:「非平衡蒸発を考慮したキャビテーション初生に関する理論的及び数値的研究」 内容:ある温度の液体の圧力が、その温度によって決まる飽和蒸気圧以下になると、液体は蒸発し、蒸気泡が生じます。その後、液体の圧力が飽和蒸気圧以上に回復した際、気泡は急激に収縮し崩壊(消滅)します。この一連の現象をキャビテーションと呼びます。キャビテーションはポンプなどの流体機械を損傷させる要因として有名であるとともに、近年ではその有効利用もなされるようになってきました。しかしながら、キャビテーションの初生をはじめ、そのメカニズムは未だに明らかにされておりません。私の研究は、気泡の気液界面における蒸発・凝縮を従来よりも厳密に扱うことできる理論を用いて理論解析及び数値解析を行うことによりキャビテーション初生のメカニズムを解明することを目的としています。 |
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