【特許番号】第6202498号 【登録日】平成29年9月8日
【発明の名称】無機ナノシート分散液、及び無機ナノシート分散液の製造方法
工学部生命環境化学科 宮元展義准教授と卒業生である山本伸也氏、三原屋淳史氏と共同で発明し、出願した「構造色を発する無機ナノシート分散液」に関する技術発明が特許権を取得しました。
本特許発明は、「構造色※を有する無機ナノシート分散液が、液晶相を形成する粒径範囲内の粒径を有する無機ナノシートと、無機ナノシートの分散媒である溶媒と、複数の無機ナノシートによる秩序構造を有し溶媒中においてランダムな配向を有する無機ナノシート配向ドメインとを含み、無機ナノシート分散液中の無機ナノシートの濃度が、液晶相を形成する濃度範囲内の濃度である」というものです。
従来、無機ナノシート分散液は、透明性、ガスバリア性及び耐熱性に関して検討されているものの、構造色に関しては検討がなされていませんでした。宮元研究室では、この構造色に着目し、構造色を発する無機ナノシート分散液とその製造方法の発明を創出するに至りました。
本特許発明により、無機ナノシートの粒径及び無機ナノシートの濃度が無機ナノシートの液晶相が溶媒中で形成される範囲内であれば、無機ナノシートの粒径及び無機ナノシートの濃度を当該範囲内で様々に変化させることで、無機ナノシート分散液の構造色を様々な波長に調整することが可能となります。将来、本特許発明による無機ナノシート分散液は、化粧品・塗装・インテリアなどに用いる色材、微量の物質や温度変化を検知して変色するセンサーなどの構成部材として応用できると考えられています。
宮元研究室では、構造色を有する無機ナノシート分散液の実用化に向けて、研究を続けており、今後の展開が期待されます。
※構造色とは、光の波長あるいはそれ以下の微細な構造に起因する発色現象を指す。身近な構造色にはコンパクトディスクやシャボン玉などが挙げられる。
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