米国物理学会が発行する「Physical Review B」は物理学(物性、材料)の分野では最も権威ある雑誌で、世界中の一流研究者が掲載を目標にしています。
近年、大学・機関連携による大規模な共同研究成果が掲載される傾向にある中、本学単独での卒業研究成果が堂々掲載されました。
北川研究室の卒業研究が、米国物理学会の権威ある学術雑誌Physical Review Bに”Photoinduced Kondo effect in CeZn3P3”(邦訳:CeZn3P3における光誘起近藤効果)というタイトルで掲載されました。
磁気の光制御は光を検知するセンサーやデータを記憶する光磁気デバイスに欠かせません。
現在はレーザーなどによる光の熱効果で磁気を光制御していますが、低消費電力デバイスを実現するためには熱によらない磁気の光制御方法が求められています。
今回、CeZn3P3という希土類半導体の磁気を、近藤効果という基礎物理学でよく知られている現象を通して、光制御できる可能性を示しました。
本研究は新しい磁気の光制御方法を提案しただけでなく、近藤効果の起源に新しい切り口から迫ることができ、基礎研究にも貢献できます。
また、光磁気デバイス以外にも、テラヘルツセンサーデバイスや量子情報デバイスなど広く社会に貢献できる科学技術にも発展可能性があります。
本研究は、北川研究室の卒業研究生であった北島大輝君(H25年度卒業、福岡工業大学附属城東高校出身)、下川顕治君(H26年度卒業、福島高校出身)、高木宏人君(H26年度卒業、福岡工業高校出身)の2年にわたる研究成果です。
現在の学術論文では、様々な大学・研究機関の共同研究の成果が掲載されることが多い中、今回図らずも、福岡工業大学単独の研究成果が、権威ある学術雑誌に掲載されました。
このことは、本学の研究力が世界トップレベルにあることを示しています。
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