環境問題への関心が高まっていますが、有機物などの汚れを多く含んだ水を、きれいな水に再生するための水質浄化技術は特に重要となっています。しかし、汚れの中には分解困難なものもあり、下水処理場などでの効率的な処理の実現が課題となっています。
工学部生命環境化学科の北山研究室では、”頑固な”水中の汚れを強い酸化力で効率的に分解する促進酸化処理法と呼ばれる技術の研究開発を行っており、その研究成果がこのほど経済産業省・九州経済産業局発行の「環境技術シーズ集」(※)に、有用な研究として紹介されました。
本シーズ集は九州経済産業局が九州各県の研究機関から集めた約180件の内、実現性やビジネス性等の視点から絞り込まれた35件のシーズが掲載されており、水質汚濁対策関連としては私立大学から唯一の掲載となりました。
[促進酸化処理法はどのような技術?]
ゼオライトを用いた特殊な触媒を水中に配置することにより、吹込まれたオゾンを、さらに酸化力が高く、汚れを分解する効果の高いヒドロキシラジカルに転換するもので、従来のオゾンを使った方法ではきれいにすることができなかった汚水についても効率的に浄化できる方法です。この方法では汚れの分解後、オゾンは酸素に変わるため環境に優しく、また、省エネルギーという利点もあります。
[実用化のイメージは?]
分解が難しい頑固な汚れを含む様々な汚水を処理することができる大型の汚水処理プラントとしての導入が期待されます。
(※)九州経済産業局 平成29年度中小企業等産業公害防止対策調査
九州管内における大学・公的研究機関等の産業公害防止等技術シーズ活用促進調査
(本シーズ集は上記からPDFでダウンロード可能です)
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