大学1年生を対象とした九州産業大学・福岡女子大学・福岡工業大学の3大学合同 学生交流・研修会を8月31日、9月1日の2日間、福岡工業大学において開催しました。この催しは、大学生として初めての夏休みに、将来のキャリアやこれからの大学での学びについて語り合い、協働しながら社会の仕組みを知り、主体的な学びにつなげようという目的で福岡工業大学によって企画されました。講師は、福岡工業大学FD推進機構の宮本知加子先生に加え、株式会社カンパニュラの権堂千栄実先生をお迎えし、グループワークを中心に学びを深めました。初日は18名、2日目は19名の学生たちが参加しました。
初日は、主に社会の仕組みを知ること、仕事の特徴と自分の特徴に気づくことを目的に研修を行いました。はじめに自己紹介をした後、4~5名を1グループとして、ビジネスマップ作成のワークを行いました。ペットボトルが自分の手元に来るまでにどれだけの人の手が関わっているかをビジネスマップとして表現すると、「ペットボトル1本が100円ちょっとで買えているのがすごい。」といった驚きの声が聞かれるくらい、多くの人が関わっていることに気づくことができました。さらに、自己分析を通して、仕事と自分の特徴とのマッチングについて、ディスカッションを行いました。
お昼の休憩時間をはさんで、午後からは、6名ずつの3つのグループに分かれ、“仮想の会社を設立しよう”というグループワークに取り組みました。グループメンバーの特徴や特技・趣味などから仕事の内容を決め、それぞれの役割(足りない場合は人を雇用)、会社名と企業理念、費用(初期費用と毎月の費用)、収入(費用を支払いながら利益を上げるためにいくら必要で、そのためには何をいくらで売ればよいか)について具体的に考えました。グループごとに発表し質疑応答を行いました。楽しみながら費用や収支計算まで考えをめぐらせ、会社とその仕組みについて、利益を上げて会社を運営していく大変さなど具体的なイメージが湧いたようでした。
1日目のワークでは、仕事の繋がりを理解しながら、自分がどのような場所に関わっていきたいかを意識しながら、仕事の特徴と自分の特徴を仲間と共に理解していきました。普段、学生が見ている仕事が、いかに一面的であるかを実感できました。自分のやりたいことだけではなく、自分の特徴を活かしていくことができるのはどのような仕事なのか、これはまだまだ簡単には答えが出せないものですが、グループワークを通じて、意識化するきっかけとなりました。
さらに、ワーク終了後は、1時間ほどの懇親会を行い、交流を深めました。
2日目は、大学で学ぶ意義を話し合い、充実した大学生活を送るためのヒントを得て主体的に行動に移すこと目的に、グループワークを行いました。1年生は、大学に入学して半年近くが過ぎたところですが、大学生活に慣れてきた一方で、何をしていきたいかが分からない学生、何か刺激がほしいのだけれども何から始めたらよいのかが分からない学生など様々です。グループディスカッションでは、今の大学を選んだ理由や入学後の感想、イメージの違いなど、率直な気持ちを共有しました。さらに、卒業後の将来に向けて今から行っていること、やっておいた方がいいと考えていることなどをグループで共有し発表しました。大学、学部、学科の違いからくる特徴的なものや、似ているところなど、お互いに関心を示していました。
さらに、若手社会人の先輩を迎え、自分の学生時代を振り返っての思いや、現在働いている中で、コミュニケーション力と仕事に必要な技術は両方必要だが、コミュニケーション力はあって当たり前と思われていて常に必要であると感じる、社会人になっても勉強を続けているなど、様々なことを話してもらいました。学生からは、立派な大人だと思ったけれど、学生時代は悩んでいたと聞いて共感できた、可能性が無限大にあるという言葉に励まされたなどの感想が聞かれました。
お昼の休憩時間をはさんで、午後からは、始めに本学大学院の先輩が参加し、学部生時代に自分の考えを変えることになったきっかけや頑張ったこと、大学院生と学部生の違いなどを30分程話してもらいました。視野を広げるきっかけとなり、学生からも活発に質問し、盛り上がりました。
それから、大学生活の現状を踏まえ、先輩方のアドバイス、社会で求められている力について説明をうけた後、ワークシートに育成したいスキルやその方法、いつまでにどのように達成するかなど、これからの行動目標や大学で学ぶ意義を記入し、共有しました。
そして、改めて大学で学ぶ意義を話し合い、グループごとに模造紙にまとめ、発表を行いました。大学という場が、多種多様な価値観に触れる場であること、自己実現のための場となることが学生たちの言葉で語られました。「大学とは自分の本棚に新しい本(知識、スキル)を詰め込める場所」と表現したグループもありました。
最後に、みんなで輪になって、一人ずつ2日間の学びや感じたことを伝えました。その言葉から、それぞれが今後の大学生活を実りあるものにしていくであろうことが感じ取れました。始まる前は緊張感も見られましたが、最後にはすっかり打ち解け、和やかな雰囲気の中でそれぞれの思いを共有し、学生交流・研修会は終了となりました。
終了後のアンケートでも、「改めて自分の将来について考えることができた」、「いろいろな大学の人と交流することができてとても楽しかった」、「人前で発表することが苦手だったけど自分の殻を破ることができた」、「またこのような企画があったら参加したい」など参加者の満足感や充実感がうかがえました。大学どうしの距離が近いこともあり、今後励まし合っていける仲間として、良い関係を築いていってくれることと思います。
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