発明の名称:静体状態に応じてデータパケットの送信優先度を制御する携帯端末、システム及びプログラム
情報工学部情報通信工学科内田法彦准教授と昨年度卒業された重留天斗氏・新谷尭弘氏と共同で発明し、本年3月に出願した「大規模災害時に、携帯端末からの安否情報の送信優先度を制御する技術」に関する発明が、早期審査制度を活用し約4か月の短期間で特許権を取得しました。
本特許発明は、図に示すように「大規模災害が発生し、ユーザの携帯端末からそのユーザの安否情報を発信する場合に、ユーザの携帯端末で測位された位置と、その位置を中心とした所定の位置範囲にユーザが所定時間継続して留まっている「静体状態」が検知された際に、そのユーザの安否情報の送信優先度を高く設定した優先度をデータパケットに含め、ネットワークへの接続が確認され次第、安否確認システムのサーバに対して、優先度が高い安否情報のデータパケットから順に送信する」というものです。
大規模災害時には、大量の携帯端末から発信された安否情報がサーバに流れ込む中から災害救助の緊急度が高い被災者を一刻も早く発見しなければなりません。しかし、従来よりシステムオペレータにとって大量の情報の中から災害救助の緊急度が高い安否情報を発見することは容易ではありませんでした。被災者が自ら記述したメッセージやそれが発信された位置情報によって被災者の緊急度を主観的に判断することしかできず、客観的に緊急度を判断することが難しいという課題がありました。
これに対して、本特許発明によると、安否確認システムのサーバが多数の携帯端末から受信したデータパケットを優先度の高い順にオペレータに明示することにより、オペレータは高い優先度の安否情報から順に確認できます。そのため被災位置から動けない被災者を判別しやすくなり、迅速かつ的確な救助活動が可能となります。
内田研究室では、本安否確認システムの実用化に向けて、研究を続けており、今後の進展が大いに期待されます。
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