2016年1月29日宮崎公立大学にて開催された一般社団法人電気学会主催の『放電誘電・絶縁材料高電圧合同研究会』において、電気工学科田島大輔助教の論文が、「平成28年優秀論文発表賞」を受賞しました。
受賞の知らせが2017年1月に届き、このたび学会HP上に受賞者が発表されました。来る9月に、室蘭工業大学において開催される『平成29年度基礎・共通・部門大会』会期中に、表彰状の贈呈が行われる予定です。
テーマ『電気二重層キャパシタの複合加速劣化試験による加成性の検討』
電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric double layer capacitor)は過電圧及び高温環境下では劣化することが知られており、その劣化機構についてこれまで研究を行ってきたが、性能評価試験として実施されている複合加速劣化試験には、実時間で膨大な期間を要する。(約10万時間=約10年)この試験は過電圧印加、高温放置、サイクル劣化等の複合モードで成り立つことから、それぞれの劣化モードに加成性が存在すれば、性能評価期間の短縮につなげることが出来ると考えられる。
そこで3パターンの過電圧条件下において、個別にフローティング試験を実施した際の劣化度に加成性があるか、各電圧及びサイクル数目を考慮した劣化度で検討を行った結果、3週間経過までは、内部抵抗と静電容量の加成性は成立することが明らかになった。これにより、従来だと約10年かかる性能評価期間を、4~5週間と大幅に短縮することに成功した。
※電気二重層キャパシタとは…
活性炭の表面にある微細な隙間に多数のイオンが付着したり放出されたりする現象を利用した充電池で、通常の充電池と比較して、貯められる電気の量は劣るものの、短時間で充放電する瞬発力に優れており、繰り返しの使用に非常に強いという特徴があります。現在、主に車や重機、複写機などに用いられています。
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